【書籍】ジェフ・ベゾス – アマゾンをつくった仕事術

書籍紹介

2018年2月、インターネット通信大手アマゾン・ドット・コムの時価総額は世界3位となり、アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは世界富豪ランキングで、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツを抜いて世界1位となった。そんなベゾスの仕事術、発想術、ビジネス戦略などが、本書ではわかりやすくまとめられている。
独創的な経営方針をもつアマゾンには原動力となる三つの考え方がある。⑴常に顧客中心に考える。 ⑵発明を続ける。 ⑶長期的な視野で考える。今後のアマゾンはどのような会社になっていくかと質問されたベゾスはこの三つの考えをあげて、「この経営哲学は10年後も変わらない」と言っている。大切なのは「知るだけ」「気づくだけ」ではなく、ベゾスがそうしたように、「行動に移す」ことである。かつてベゾスは、踏み切れないでいる社員にこうハッパをかけた。「新しいことに挑戦すべきかどうか迷ったら、『かまうもんか』と自分に言い聞かせろ」これほど影響力のある人物の言葉からは、みなぎるエネルギーを感じずにはいられない。

自信と信念を学んだ少年時代

ベゾスは、母方の祖父ローレンス・プレストン・ガイスに、大きな影響を受けている。祖父は、アメリカ国防総省の研究機関で宇宙工学とミサイル防衛システムの仕事をしていた。ベゾスは宇宙に強い興味を抱いているが、それを最初にかき立てられたのは、祖父が語ってくれたロケットやミサイルの話である。また、祖父や引退後、テキサス州コチュラにある先祖代々続く牧場の経営に転じている。ベゾスはそこで4歳から16歳までの夏を過ごしている。その牧場で、牛舎の掃除や牛の飼育といった一連の作業を全て経験した。また、技術者でもあった祖父はブルドーザーのエンジンが壊れれば修理したし、小さなクレーンなら自分で作れた。荒れた道もならしたし、牛に焼き印も押した。ベゾスをそれらを見て、何でも自分でするという姿勢、熱心にやることと根気よく続けることを学んだ。ベゾスはこうした自信と信念を少年時代の牧場で祖父から学び、それがアマゾンの創業にも大いに役に立つことになった。

大切なのは、まずやってみることだ

ベゾスは社員にいつでも「できるだけたくさん実験するように」とハッパをかけている。実験はいつも成功するわけではないが、実験をすることで何が問題か、どうすればうまくいくかが見えてくる。ベゾスが尊敬するエジソンは、こう言っている。「私は失敗などしていない。うまくいかないやり方を一万通り見つけただけだ。」ベゾスも、一つの方法がうまくいかなかったら、方針を変更して別のやり方を試すことを信条としている。たくさん実験をすればイノベーションの数も増やすことができると信じている。

口コミを重視したベゾス

アマゾンの拡大の一方で、ネットにはたくさんの「中傷する人」がいたが、それらに対してきめ細かく対応するのは不可能だ。ベゾスのやり方は、顧客との約束を守り、顧客が感動するほどのサービスを提供し続けることだった。満足し、感動した顧客はファンとなり、ひいきとなって「アマゾンは素晴らしい」という評価を広く行き渡らせてくれる。それが中傷に対応する方法だった。それはどんな大金をつぎ込んだ広告でもできないし、事実アマゾンは事業規模に比べて広告費は少ない。マーケティングの神様といわれる経営学者フィリップ・コトラーの言葉にも「満足した顧客は、製品がよかったことを平均3人に話すが、不満のある顧客は、平均11人に不平をもらす」とある。インターネットの世界において、成功するために口コミがどれほど重要なのかをベゾスは見抜き、今も顧客満足を追求するために改善を続けているのである。

ビジョナリー・リーダー

ベゾスとともに仕事をした者のベゾスへの評価はさまざまだが、共通しているのは、ベゾスは先見性があって、夢を明確に語れる「ビジョナリー」だという点である。何かを語る時、数字から入ると人は熱くなれないものだ。だが、ビジョンから入ると、人はワクワクする。「できるかもしれない」「すごいことになるかも」と、気持ちをかきたてられるからだ。数字は後から示せばいいのである。ベゾスも将来を数字で語ることはまずない。語るのはビジョンであり、大切にする理念だけだ。

リスク覚悟で決断できる人がいて初めて挑戦が可能になる

創業者やCEOは、時には絶対者のように振る舞わなければならない。掲載されている書籍ランキングを、ベゾスは1時間単位で変更しようと言い出した。誰もが「できない」「必要ない
」「バカバカしい」と応じたが、ベゾスは「私はそうしたいんだ」と押し切り、実現にこぎつけている。そして、ランキングはそれまでよりはるかに注目を集めるようになり、ユーザーだけでなく、作家や編集者を一喜一憂させることになった。キンドル開発でも、キーボードを必要と考えるベゾスに、キーボードなしのモデルを持参した社員は、こっぴどく怒られた。パソコンを経由しない無線接続を考えるベゾスに、「できない」と反論した社員は、激怒された。何が完璧な仕事なのかを知ることができるのは、「何をやりたいか」が明確なリーダーがいてこそだ。

目次紹介

第1章 行動は塾考より正しい

    「決断」がアマゾンをつくった

  • 頭を働かせながら、手も動かすのが成功の条件。
  • 「思いがかなう」のはビジネス。「思いがけない」のがサービス。
  • 才能は人生の一部。選択が人生の全部。
  • 凡人は一回失敗するともう諦める。天才は十回失敗してもまだ直せる。
  • 新たな知己を得ることは、新たな自己を知ることだ。
  • 人より早く着くには、人より長めに準備する。

第2章 道なき道こそ近道だ

    「発見」がアマゾンをつくった

  • 「早く」始める人に、「速く」やる人は追いつけない。
  • 好運に見える人は、好運を見抜けた人。
  • リスクを負えないなら、利益も追わないことだ。
  • 目的は変えてはダメだが、計画は変えなければダメ。
  • 臆面もなくやろう。億万長者になれる。
  • ものを売る前に物語をつくろう。

第3章 未体験を商品化する

    「便利!」がアマゾンをつくった

  • 待たせて期待を売るよりも、満たして快適さを売るべきだ。
  • ライバルを超えるより、顧客の期待を越えよう。
  • 二流企業はいい情報だけを与える。一流企業は情報を顧客に選ばせる。
  • 声を集めるショップに顧客が集まる。
  • 時間がたつと感動も古びる。時間を置かず感動をつくろう。
  • 小さな倹約が、大きな知恵を引き出す。
  • 数字で平伏させるより、夢で心服させるのがリーダー。
  • 専門業者に投げないほうが、顧客満足度は上げやすくなる。

第4章 お客様の時間を節約せよ

    「速さ」がアマゾンをつくった

  • スピードは、ゼロから始める人の最大の武器。
  • ビジネスに最適のスピードは、「自分で過去の自分を追い越す」速さ。
  • 急成長は競争力になる。
  • スピードを上げれば、やれることが多くなる。
  • 大きな世界の巨人になるには、小さな業界でまず巨大になる。
  • 企業は特許争いよりも、サービス競争で愛される。
  • 初挑戦を増やそう。いつも初心でいられる。

第5章 解決案は「徹底的に!」

    「仕事術」がアマゾンをつくった

  • 平凡人は困るとIT機器に頼る。独創人は困るとIT機器を切る。
  • 半端にコピーするから失敗する。堂々と盗めば成功するんだ。
  • 敗者とは挑戦して敗れた人ではない。最初から挑戦する気のなかった人だ。
  • 人選を狭めよう。未来が広がる。
  • 万人共通の成功法はとにかく量をこなすこと。
  • お金をつくるより価値観を伝える。そう考えると仕事が大きく育つ。
  • 耐えられればかなえられる。

第6章 儲けを投資に使い切る

    「利益無視」がアマゾンをつくった

  • 成功者は最悪も見えている。失敗者は最高しか見ていない。
  • いくら借りるかよりも、誰から借りるかが重要。
  • 利益を伸ばすには、投資の先延ばしをしない。
  • 栄光を失うのは終わりではない。情熱を失った時が終わりである。
  • 凡人は値上げして儲けを出し、達人は値下げして儲けを出す。
  • 他社が待てないくらい長く持てる会社が勝つ。

第7章 一生単位で一日を見直す

    「長期戦略」がアマゾンをつくった

  • チャンスを得るにはチャンスが生まれる場所に行く。
  • いいサービスは「何でもできます。」最高のサービスは「すぐできます。」
  • ビジネスは変化を前提に。ビジョンは不変を前提に。
  • 人・物・金に「時間」を加えて考える。
  • 多数決から決定打は生まれにくい。
  • いいリーダーは部下に夢を与える。最高のリーダーは自分で夢を追う。
  • 未来を確実なものにするには、未来を確信することだ。

投稿者:

Shuji Tenra

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